作業負荷に対応するためにエンタープライズSSDを選ぶべき3つの理由

SSD購入の落とし穴はパフォーマンスと価格

NASにSSDキャッシュを構成したり、オール・フラッシュ・ストレージ・アレイを構築する際のSSDには、どの程度の予算をお考えですか?当社の統計では、ハイエンド・モデル (xs/xs+) にSSDを設置しているSynologyユーザのギガバイト当たりの平均コストは、0.31米ドルであることが分かっています。これはSynologyユーザが価格に敏感であることを示していますが、同時にこれらのユーザはパフォーマンスの向上も求めています。

Googleで「SSDパフォーマンス」と検索すると、SSDの仕様からパフォーマンスの数字を読み解く方法を示す結果が大量に出てくるはずです。それらを読めば、4K IOPSが特に注目すべき数字であることが分かるはずです。サイズが小さい4Kファイルのランダム読取り/書込みのパフォーマンスは、SSDの実際のパフォーマンスをより正確に反映するためです。

仕様一覧のパフォーマンスの数字を見ると、以下の2つの事実に気付くはずです。

  • 4Kランダム読取り/書込みのパフォーマンスの数字は1つしかない。
  • エンタープライズグレードSSDの中にはコンシューマーグレードSSDよりもパフォーマンスが劣る製品がある。

持続的なパフォーマンス

性能試験の詳細をよく見ると、SSDのパフォーマンスが時間と共に変化することに気付くのではないでしょうか。SSDベンダーは全体像の一部のみを公開することで、パフォーマンスの数字を良く見せようとしています。

消費者向けSSDの場合、IOPSの数字は最初のうちはかなり高く、最高で140,000ほどになります。初期段階(0秒から300秒前後)ではそのまま高い数字を維持しますが、ほどなくして数字は大幅に落ち始めます。この大幅な上下の数字の変動は、まるでジェットコースターの動きのようです。消費者SSDとは対照的に、エンタープライズSSDの数字の変化はなだらかで、より安定したIOPSが実現されています。数字は急激に上下することはなく、比較的平坦であり、全体として一貫したパフォーマンスが持続的に発揮されます。

耐久性とオーバープロビジョニング

エンタープライズSSDがパフォーマンスを持続的に発揮できるかどうかのカギを握る要因のひとつは、オーバープロビジョニングのためにあらかじめ確保されるSSD容量の割合です。

1TB SSDを設置した経験をお持ちの方なら、フォーマット化できる領域が960GBしかない場合もあることをご存知でしょう。では、残りの64GB (6.2%) はどこに行ったのでしょうか?理由もなく、ただ消えてしまったのでしょうか?

SSDではプログラム消去 (P/E) サイクルの回数に制限があり、これを超えるとSSDは寿命を迎えることになります。NANDフラッシュは上書きコマンドに対応していないため、NANDブロックに再度書込みを行うには、まず書き込まれているデータを消去する必要があります。ブロックは複数のページを構成するストレージの最小単位で、ページは書込みを行うことができる最小単位です。書込みを繰り返すと、メモリー・セルが消耗し、SSDの寿命が短くなります。

消耗を軽減し、SSDの寿命を延ばすために、ガベージ・コレクションやウェアレベリングなどの技術などがよく使用されます。ガベージ・コレクションは、有効なページを空いているブロックに移動させ、無効なページを含むブロックを削除する処理です。ウェアレベリングは、使用頻度が高いブロックを空いているブロックとスワップすることでブロックの使用を均等化し、書込み/消去操作がブロック間で均等に行われるようにすることで早期の消耗を防止するアルゴリズムです。どちらの技術でも、予備スペースの割り当てが必要とされます。オーバープロビジョニングは、容量全体の一部をパーティション化することで予備のスペースを確保し、SSDコントローラが寿命を延ばすための技術をよりスムーズに実行できるようにする機能です。

ヒント:NASのSSDキャッシュが遅くなった場合は、ストレージ容量の65%でSSDキャッシュを作り直すと、パフォーマンスが復活する場合があります。

オーバープロビジョニングの目的はSSDの寿命を延ばすことであり、これはSSDの耐久性と密接に関連しています。適切なSSDを選ぶには、書込みテラバイト数 (TBW) や1日あたりのドライブの書込み (DWPD) も考慮する必要があります。ドライブの容量と保証期間が分かれば、以下の式を使ってTBWとDWPDを変換することができます:

  • TBW = DWPD × 365 × 保証期間(年数)× 容量 (TB)
  • DWPD = TBW /(365 × 保証期間(年数)× 容量 (TB))

例えば、5年保証が付帯した1.92TB SSDのTBWが1,400である場合、DWPDは1,400 / (365 × 5 × 1.92) = 0.4と計算できます。つまり、1日あたり使用できるドライブ容量は、全体の40%にあたる768GBとなります。TBWおよびDWPDについて詳しくは、この記事をお読みください。

停電時の保護

あらゆるSSDには、書込み処理の最適化に使用できるキャッシュがあります。書込みコマンドは最初にキャッシュに蓄積され、一定数に達すると書込み処理が行われます。アクシデントは起こるものです。データがキャッシュにあるうちに停電が起こった場合、データが消える可能性があります。ここで登場するのがキャパシタ・バッファです。ほとんどのエンタープライズSSDにはキャパシタまたは小型バッテリが搭載されており、突然停電が起こった場合でもデータの書き込みを続けることができます。電圧が低下すると、SSDコントローラがキャパシタに電源を切り替え、既存の書込み処理を最後まで実行できるようにします。そのため、データが破損するリスクが低くなります。

SSD技術が成熟し、主流になりつつある中で、様々なフォーム・ファクタ、機能、容量のSSDが発売されています。ビジネスの作業負荷に合ったSSDを選ぶことは極めて重要です。しかし、購入を決める際に価格とパフォーマンスだけに目を奪われていると、隠れたコストに悩まされる恐れもあります。パフォーマンスの持続、SSDの耐久性、停電時のデータ保護まで考えれば、御社のニーズに最適なSSDがきっと見つかるでしょう。

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2019-05-22T15:23:38+00:00